1/10 「雪景色」 白い鹿が、一面に広がる雪原の中を歩いていた。 雪は柔らかく、深く積もっていて、踏むとしっかりとした足跡が残る。 鹿は、銀色の蹄で雪の上を歩く。 風が小枝を擦るような声で、鳴く。 姿を消した妖精を探していた。 春までには現れる筈。 足跡が書置きのように残っていた。 #365日ss BACK