『地球の細胞分裂』
題:フハハハハ!それはドロドロ 制限時間:15分 読 文字数:575字
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どうして俺は戦わなければならないのだ。
あるとき唐突に出没した、黒いスライムのような化け物に、街の人間が次々と飲み込まれてしまうという事件が起こるようになった。
人々はパニックになって逃げ惑った。
が、黒いベタベタの巨大なアメーバのような生き物は、人間を飲み込みながら巨大化し、分裂を繰り返して数を増やしていった。
あいつらは一体なんなんだ。宇宙から来たエイリアンなのか、生物兵器なのか、正体はわからない。
「何もできずに食われてたまるか!!」
俺は、戦う意欲のある仲間を集めて、黒いアメーバと戦うことに決めた。
バーナーで焼き払う、あるいは液体窒素で凍らせる、といった、いくつかの対抗手段も見つかった。
しかし、減らすよりも確実に、奴らは増え続けている。
一体、この化け物に勝つにはどうすれば……
そんなことを考えて、黒いアメーバと戦っていたとき。
足元に、ぬるりとした怖気の走る感覚が走った。
化け物が俺の立つ地面の下に隠れていた。
たちまち俺の体を喰らいにかかる。
「うわああああ!」
「テツーーーッ!!」
仲間のアキが叫んだ。俺を助けようとこっちに向かってくる。
「やめろ、来るな!お前までやられるぞ!」
俺が叫ぶも、アキは化け物に剣を突き立てる。
「わかったぞ、この化け物の正体は……!」
ずぶずぶと足元が沈む。
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2014/1/24