『あべこべ悲劇喜劇・勇者と姫の場合』




まさかオカマに求婚されることになるとは思わなかった。

「凛々しいあなた様を、こんなにもお慕いしていますのに、なぜ結婚してくださらないのですか・・・・・・?」
「できるかぁぁぁあ!!どんなになよなよしてみせても、貴様は男だ!!私はヤローと添い遂げる趣味なんか微塵もない!!」

ああ、国を救う英雄となるために今まで戦い続けてきた。長い道のりだった。あらゆる苦難も越えてきた。
その末路がこれだというのか。
私の生涯の伴侶となる美姫は、どこにいけば巡り会えるのか。

「いや、わたくしがあなたの探し求める姫ですって。間違いありません」
「ええい、私の心を読むな!そして貴様は己の姿を鏡で見てから言え!顔に青髭生えてるムキムキ体系の女装男を美姫とは呼ばん!!」

ふとそういえば気がついた。
魔物の軍勢を倒したあかつきには、姫を捧げると御触れを出した、肝心の王はどこへ消えたのだ。

「ああなんという悲劇でしょう。実は、魔物に呪いをかけられて、姫は帝王と入れ替わり、帝王は姫となりかわってしまったのです。たどりついたあなた様の、最後の試練です。どうか姫を助けてください」

唖然としている私に向かって。
オカマ姫は突然私にキスをかました。
呪いはとけた。
私が姫となった。


ええぇええ?!










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2013/2/17
15分 536字
若干一人称修正。

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