『偶像怠惰主義 』
「あなたが想像した101人の神とはどんなものだったのかしら」
女神を自称するこの女は、錫杖を傾けながら俺に問いかけた。
「おびただしい数の粘土の偶像。なんて哀れな光景かしら。こんな、触れただけですぐに壊れてしまうような弱々しい塊が、あなた達の信仰する神だとはね」
振りかざした錫杖が、脆い土の塊を、一つ一つ、砕かれた破片と砂へと変えていく。
「要するに、カミサマなんて、101人どころかこの世には一人もいないってぇことだ」
煉獄の炎を借りた焼き釜の前で腰掛けて、一服の煙草の味の息を吐いた。
神の像の次はどうする。
千体の悪魔の偶像でも作ろうか。
「決まっているわ。私の言葉と私の存在を信じればいいの。この世の唯一無二の神こそこの私」
やなこった。誰が信じるかよ。
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2013/4/9
15分 330字
そろそろ神様ネタはワンパだからやめないか自分。