『黒い夏の冒険・エピローグ 』



今年の7月に、世界は滅ぶんだってよ。
深夜、枕を並べて、顔を付き合わせて、歳幼い少年達が話していた。
子供は夜眠る前に、何か物語を聞かせてとせがむ。
そんなときに出てきた話の一つだった。
胸が躍るような冒険譚、あるいは身がすくみ上がるような怖い怪談。その手の話しを求めていたはずだった。
突如、静まり返っていた真っ暗な寝室の片隅で、テレビの電源がひとりでに点いた。砂嵐の唸りを映し出す。

君達に宿題をあげよう。
夏休みが始まったら、こちら側の世界においで。
人類滅亡を回避するためのゲームを教えてあげるから。

銀色の砂嵐を流しているテレビ画面から、不思議な声が聞こえた。

もし失敗したら、世界の形は捻れて壊れてしまうかもしれないけどね。
灼熱の太陽が、地上を真っ黒に焦がしてしまうことだろう。





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2013/4/17
15分 350字 
とぅーびーこんてぃにゅーど。




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